How To Become A Rockstar Photographer
暗いステージでのコンサート撮影のための7つのポイント
This article is originally written by Matthias Hombauer who is a rock photographer based in Austria.
I am authorized to translate this article into Japanese.
コンサート撮影はやりがいがあり面白いものだが、暗い光の中で撮影しなければならないので、とてもチャレンジングだ。通常フラッシュ撮影は禁止されているので、暗い状況に備える必要がある。
これから説明する、低照度のステージでコンサート撮影するための7つのポイントを頭に入れて準備すれば、素晴らしい写真を撮れるだろう。
暗いステージでのコンサート撮影のための7つのポイント
明るいレンズ
まず最初に、一本明るいレンズを用意しよう。明るいレンズは低照度下で、最高の仕事をしてくれる。明るいレンズとは、開放絞り値が小さいレンズだ。明るいレンズは絞りを開けた時に開口部が大きい(この時絞り値は小さい)ので、カメラのセンサーにより多くの光が入る。
開放に近い絞りで撮ることで、低照度でも速いシャッタースピードが得られ、より簡単に、また鮮明に動きを止めて写すことができる。例えばf1.4のように、絞り値の数字が小さくなるほど、開口部が大きくなる。これをいつも覚えておいて欲しい。
コンサートフォトグラファーとして活動し始めたばかりの頃は、最初に必要になる明るいレンズは高価なものになるかもしれない。しかし、信頼性のある明るいレンズに投資することは、仕事の質につながる。
もし本当に予算が厳しいけれど、どうしてもコンサート撮影を始めたいと思っているならば、手頃な50mmの単焦点レンズがうってつけだ。この小さいレンズは開放絞りがだいたいf1.8になっている。このレンズは他の多くのレンズに備わっているズーム機能がなく、焦点距離が50mmで固定されているので、単焦点レンズと呼ばれる。このレンズはズーム機能という便利さは無いものの、明るい開放絞り値というメリットを持っている。この素晴らしい小さなレンズを、いつもカメラバッグに入れておこう。
明るいレンズをいくつか手に入れたら、かっこいいコンサート写真を撮影しに行こう。
マニュアル撮影モード
コンサート撮影は演奏中にドラマティックに光が変化するので、非常に実力が試される。
観客にとっては素晴らしいライティングかもしれないが、刻々と変化する光の状況に常についていかなくてはならないフォトグラファーにとって、撮影するのは容易ではない。照明が派手になればなるほど、撮影はより難しくなる。何故ならフォトグラファーは良いショットを撮るためにセッティングを合わせ続けなければいけないのからだ。
こんな時、露出をより上手くコントロールするためには、マニュアルモードで撮影するのが一番良い。低照度下ではマニュアルモードにした方が、周囲の光を完全にコントロールし続けられるので、カメラ任せにするよりも良い。光が強くなったり弱くなったりする突然の変化が、カメラの計算を狂わせ、間違った露出となる。この問題に対処するには、セッティングを自分で全てコントロールするのが一番良い。
しかし、あなたがまだコンサート撮影のビギナーならば、絞り優先モードを試してみて、カメラに正しい露出を見つけてもらおう。カメラセッティングについてはこちら
絞り
いつもレンズの絞りは開けて撮ろう。絞り開放で撮影すると、より多くの光がカメラに入ってくる。低照度のコンサート撮影では、f1.4やf1.8、f2.8の絞りがいい働きをしてくれる。だからビギナーにとって、明るいレンズに投資することは重要なのだ。
シャッタースピード
シャッタースピードは1/250秒かそれより速い速度を維持するようにしよう。それより遅いとブレた写真になってくる。もちろんいくつか例外はある。
非常に暗いライティングのクラブで、さほどステージで動きのないバンドを撮影するならば、1/250秒より遅いシャッタースピードでもおそらくブレることなしになんとか撮影できるだろう。アーティストがより動いて情熱的になればなるほど、動きを止めるために、速いシャッタースピードが必要になってくる。
ISO
簡単に言うと、ISOとはカメラの光に対する感度(感受性)だ。ISOを低くすればするほど、カメラは光に対して感度が低くなる。ISOを高くするほど、光に対する感度も上がる。コンサート撮影のような低照度下では、ISOをより高く上げてセッティングする必要がある。そうすることでカメラのセンサーが光に対してより高速に反応する、という仕組みになっている。
コンサートを撮影するとき、ISO1600から始めてみよう。もしこれが上手くいかず、画像がブレていたら、納得できる画像になるまでISOを上げてセッティングしてみよう。しかし、ISOを高くすればするほど、画像にノイズの粒子が現れることを覚えておいて欲しい。
だが最終的には、コンサート写真においては、ブレている画像よりも、粒子があってもしっかりとブレていない画像を撮影できる方が良い。Adobe LightroomやPhotoshopのようなシンプルな画像編集ツールがたくさんあり、これらのソフトウェアが写真のノイズを減らすのに大いに役立ってくれるだろう。
Destroyer, Nikon D700, 1/250sec, f2.8, ISO 3200
知識は力なり
コンサートを撮影に出かける前に、前もってコンサート会場やアーティストの研究をしておくのはとても役に立つ。
地元の小規模なバンドは会場が用意するライティングを使用することが多い。もしその会場についての知識がなければ、インターネットで会場の写真を探し、これから撮影に挑む会場がどんなレイアウトでどんなライティングを使うのか確認しよう。
有名なバンドは自分達用の特別のライティングや装置を使うこともある。だからバンドがどんなショーを行うのか、写真を見たり、YouTubeで以前のライブの動画を見ておくことはとても役に立つ。
次に何が起こるか知っておくのは良い事だ。知ることで準備することができる。
忍耐は美徳
コンサート撮影を始めたばかりの頃は、バンドが出てきた瞬間から、本能的に可能な限りシャッターを切り続けてしまうだろう。たとえそれが撮影不可能な状況であっても。
想像してみよう。バンドがステージにたった今現れた。しかしほとんど光が無く真っ暗だ。あなたはプレッシャーを感じる。何故なら良いショットを撮るために与えられた時間は3曲分しかないからだ。
リラックスしよう!本当に暗い場合には、もはや撮影するのは不可能というものだ。コンサート中のこんな撮影不可能な暗い時間を利用して、良い撮影場所を探したり、撮った写真を素早く再生して、正しくカメラセッティングをしているか確認してみよう。良い写真を撮るためには、明るいライトがやってくるのを忍耐強く待つしかない。
さて、暗い中でコンサート写真をどのように撮影するか、ポイントをまとめてみよう。
⚫明るいレンズで撮影する(例:50mm f1.8)
⚫絞りを開いて撮影する
⚫少なくとも1/250秒以上の速さのシャッタースピードで撮影する
⚫ISOは1600から始める
⚫絞り優先かマニュアルモードで撮影する
⚫前もってバンドを研究しておく
⚫撮影するのに適切な瞬間を待つ
コンサート会場で照明が真っ暗でひるむのはよくあることだ。自分のセッティングを理解し、後の画像処理の時にどこで上手く行き、またどこで上手く行かなかったのか確認するのはとても重要な事だ。低照度のステージで多く撮影すればするほど、自分自身とカメラに対してより自信を持ち、快適に撮影出来るようになるだろう。
[Credit]
Original article and pictures: Matthias Hombauer
Translation: Aki Fujita Taguchi
Proofreading: Yosuke Taguchi
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